ああ、本当に出るんだな。
オレは妙に感動していた。
こんな小さい遊戯から、オレと同じもんが出るんだなぁと、しみじみしてしまったのだ。手のひらに零れたものをじっと見つめていると、見るのやめてよ!という抗議の声が聞こえた。
遊戯は、がばりと身体を起こすと、ベッドのそばに置いてあったティッシュを乱暴に引き抜いた。オレの手を握って、白い液体を乱雑に拭き取る。
オレは遊戯の顔を見た。唇をぎゅっとひき結んで、怒ってるみたいな顔をしている。頬はまっ赤なままだった。
「サンキュ」
吹き終わったあと、オレはそう言った。遊戯は顔をあげて、オレをじっと見つめた。
「ボクばっかり、恥ずかしいのはイヤだからね」
「はい」
オレは素直に答えた。
「城之内くんだって、したいんでしょう」
「したいです」
「ボクのこと、好き?」
「すげぇ好き」
じゃなきゃ、こんなに勃ってねぇよ。
「ボクも好きだよ」
オレの脳みそは瞬時に沸騰した。理性がふっとんだ。目元が涙でいろっぽく濡れていて、ひんむいた身体も快楽の余韻でピンク色に染まってる相手に、こんなこと言われてどうにかならないわけがない。
オレは遊戯をふたたび押し倒してキスをした。遊戯がくぐもった声をあげる。右足をかかえ上げて、自分をそこに宛がった。さっきまで舐めて濡らしていたとはいえ、そう簡単に突っ込めるもんじゃなかった。先を当てて押し込もうとしたけど、正直キツイ。
「痛っ!」
突っ込みたい。むちゃくちゃ突っ込みたい。突き入れて、遊戯の中を味わってみたい。でも、オレの下にいる遊戯の表情を見ちまうと、無理矢理なんてできそうにない。痛めつけたくなんてないのだ。
ああ、もう素股でいいかな。
自分のソレを手で持って、遊戯のアレと擦り合わせながらそう思う。これも気持ちいい。やばいぐらいに気持ちいい。遊戯のもイッたばっかりでぬるぬるしていて、オレのだってどろどろ溢れてて、根元までぐちょぐちょだった。
尻のラインにそって指の腹で撫でる。入り口の部分に指先を当てた。とろりと液体が伝い落ちてきていて、密やかに濡れている。オレはそこに指を一本入れた。
「ああ……っ!!」
熱かった。
きつい中で指を不器用にうごかす。さっきも弄ったけど、ちょっと指先を入れただけだったか。今度は指を奥までいれた。遊戯の身体がびくびくと反応した。指先は熱くて、頭が焼けそうなほど感じた。
もう一本ふやしてみる。
遊戯は唇を噛みながら、耐えている。
動かしていくと、遊戯の声に苦痛以外のものがまじってくるように思えた。
気持ちいいんだろうか。
「いいよ」
オレは顔をあげた。
「遊戯」
「して、いいから」
オレは肯いた。その声に、抵抗なんてできるわけがなかった。まだほんのちょっとしか開いていない部分に自分を押し当てた。遊戯の身体がこわばる。
「っ!!!」
突き入れた。えらの部分がひっかかって、入れづらかったけど、体重をかけておしこんだ。押し殺した、圧迫感に耐えるような遊戯の声がする。でももう何も考えられなかった。
気持ち、良すぎる。
「遊戯、遊戯、ゆうぎ……ッ!」
名前を呼んで、腰を振った。遊戯の中は、熱くて、きつくて、ぎゅっとオレを離さないみたいで、たまんなかった。遊戯をすっぽり抱きかかえて、苦痛から逃げる腰を追った。
遊戯の腕が、オレの背中に回される。まだ着ていたシャツごしに爪がくい込んで痛かった。でも、それも気持ちよかった。
遊戯の声は、もうほとんど悲鳴に近かった。オレもわけのわからない声をだしていた。
好きだ。好きだ。遊戯。好きだ。
馬鹿みたいに叫んだ。
だって本当なんだ。好きなんだ。
どうしていいか、わかんねぇぐらい好きだ。
ずっと離れたくない。
身体が少しでも離れてるのがいやで、遊戯の肩口に顔を埋めた。
首にむしゃぶりつく。遊戯の声が皮膚越しにふるえてた。
もっとしたい。
キスしたい。
もっとつっこんで熔けてしまいたい。
気持ちがいい。
気持ちがいい。
遊戯がいい。
「あっ、あっ、ああぁぁあああっ!!!」
どっちが先に声をだしたのか、わからなかった。
全身が痙攣した。
頭の中が完璧に真っ白になって、オレは遊戯の上に崩れ落ちた。